ノミネート店舗11店舗の中から、受賞店舗が決定いたしました。神戸三宮センター街でお買い物中のお客様審査や神戸市デザインクリエイティブディレクターや外部審査員を迎えた書類審査のもと受賞店舗を決定いたしました。それぞれの審査員からの講評も是非ご覧ください。



2019年に30年ぶりに全面改修を行ったモロゾフ神戸本店。ストリートの山側でグリーンとブラウンのコンビネーションで構成される店内は、センター街が目指す神戸の自然を感じさせる空間づくりのコンセプトに共鳴しながら気品ある店内空間を創り出している。店頭で目を引くのは天井から流れ落ちる優雅なチョコレートの滝と、そこに浮かびMorozofのロゴマーク。滝の周りを回遊する売り場は、ブランドを構成する商品のコンセプトが明快にレイアウトされている。神戸の洋菓子の伝統を新時代に伝える店舗デザインとなっている。





三宮センター街の角地という好立地や、三層連続するファサードという条件を上手く活かしつつ、北と西の両面ともに、統一感のある新たなアイストップが生まれたように感じました。欧州のカフェの装いを想起させるような、上品でモノトーンな色調は、騒がしい街並みに落ち着きを与えます。全国にあるEXCELSIOR CAFFEとは一味違う、神戸らしい気品を感じる表情で、街並みの景観に貢献していると判断しました。





センター街をそぞろ歩きして、お店の前に来ると左右のショーウィンドーどこか懐かしいアメリカ西海岸の雰囲気を醸し出しています。
店内はゆったりしたスペースが確保されていてご来店のお客様は開放感の中で念入りにお品物をお選びいただけます。
お客様とスタッフが用途に合わせて念入りに相談されてご自身自慢の一品が仕上がることでしょう。
デジタルな時代にかつてのアナログの心のこもったぬくもりが感じ取れる技術志向のお店だと思います。





個性的なファサード（店内）はセンター街店舗だけでは無いものの「ＮＹ」発のイメージがセンター街にもマッチング。インパクトある外観でありながら、周辺店舗ならびに空間との調和も取れており、評価させて頂きました。
また「コロナ禍」対策をしっかりとされ、来店客への接客までの誘導と見送り（退店）順路等、分かりやすく案内。お客様ならびに街としても安心感を持った店舗となっている事を評価させて頂きました。






今年の春にリニューアルしたファサードはレンガのオレンジが大きく印象的で店内のグレーの壁面、床面とうまく構成されており、簡素でスタンダードでありながら「今っぽさ」を感じさせてくれます。大きく開かれた入り口は道行くお客さまを自然に迎え入れる空気感があり、神戸のメインストリートに相応しく、店構え自体が前向きなブランドそのもののようを体現しているように感じました。





審査委員会
天宅　正　　　天体 合同会社 代表
槻橋　修　　　神戸大学大学院　工学研究科　准教授
津川　恵理　　ALTEMY 建築設計事務所 代表／東京藝術大学 教育研究助手
土井　一三　　神戸三宮センター街一丁目商店街振興組合　理事長
長澤　宗弘　　神戸三宮センター街一丁目商店街振興組合　担当副理事長
内田　幸市　　神戸三宮センター街一丁目商店街振興組合　空間再生委員会 委員長